新幹線には早割チケットがたくさんあります。早割というのは「○日前までに予約」といった予約期限が区切られているきっぷのことです。早く予約すれば安くなります。
回数券のように当日でも購入できる割引きっぷもありますが、せいぜい5〜9%の割引です。割引率が高いのはやはり早割チケットです。早割を利用すれば、15%〜30%はもちろん最大50%割引になるような格安チケットもあります。
「早特きっぷ」「早特商品」、呼び方は色々ですが、「早割」「早割ケット」が最も一般的なので、ここではそう記載します。
ここでは、お得な新幹線の早割チケットを紹介していきます。
目次(好きなところから読める!)
新幹線の早割チケット・早特きっぷの仕組みと制約
新幹線の早割がどういうものか、ポイントを簡単に解説しておきます。
早割は「早期割引」、早ければ早いほど割引率も高い
新幹線の「早割チケット」は、早期購入で新幹線料金が大幅に割引になるチケットです。
JRの販売する早割チケットは「○○早特」といった名称が多く、「21日前」「14日前」「3日前」「前日まで」の4つの予約期限が多いです。もちろん、早ければ早いほど割引率も高いのが基本です。
旅行会社が販売する早割もある
JRだけでなく、日本旅行やJTBといった旅行会社が販売する旅行商品もたいてい早割です。旅行会社経由で当日買える新幹線チケットはないです。
有名なところで言えば、東京への新幹線が格安な「トーキョーブックマーク」や、宿と新幹線のセットがお得な「新幹線パック」などがあります。これらも3日〜5日前までの予約が必要な早割です。(詳細後述)
早割はほとんどがネット予約
新幹線の早割はほとんどがネット予約です。それほどネット予約が主流です。
早割を使いたい人は、まずはJR各社のネット予約会員に登録しましょう。
- エクスプレス予約・スマートEX(JR東海):東海道・山陽新幹線
- e5489(JR西日本・四国):山陽・九州・北陸新幹線
- JR九州インターネット列車予約(JR九州):九州新幹線
- えきねっと(JR東日本・北海道):北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸新幹線
早割は安いからこそ制約も多い
早割チケットは、格安だからこそ同時に制約条件も付いてきます。
特に、「予約・購入後は日時・列車を変更ができない」という制約が圧倒的に多いです。変更するにはキャンセル(払い戻し)して再予約になります。
その他の主な縛りは以下のようなものです。
- 区間限定
- 人数限定
- 列車限定(時間帯制約)
- 変更不可
- 乗り遅れた場合に、後続の列車に乗車できない
また、予約変更に柔軟なエクスプレス予約・スマートEXの早特商品でも「EXのぞみファミリー早特」のように「二人以上」という縛りがあったり、「EXグリーン早特」のように「のぞみは早朝便だけ」といった時間帯縛りなどもあります。
制約条件は早割チケットより様々ですので、予約前にしっかりと調べた方が良いでしょう。
新幹線の早割チケット・早特きっぷの種類
新幹線の早割にはどんなものがあるか、新幹線の路線別に具体的に紹介します。
東海道新幹線で利用できる早割チケット
残念ながら、東海道新幹線には早割チケットはほとんどありません。エクスプレス予約・スマートEXの早特商品くらいです。
東京〜新大阪間は乗車率も高くドル箱路線なので、あえて早割チケットを増やす必要もないのでしょう。
JRの早割
- エクスプレス予約・スマートEX早特商品
- EX早特
- EX早特21
- EXのぞみファミリー早特
- EXこだまファミリー早特
- EXグリーン早特
- EXこだまグリーン早特
- のぞみ早特往復きっぷ
- くろしお&ひかり早特往復きっぷ
旅行会社が販売する早割では、東京行きの格安のぞみなら「トーキョーブックマーク」、泊まりなら「新幹線パック」、格安こだまなら「ぷらっとこだま」があります。
旅行会社の早割
- ぷらっとこだま
- 新幹線パック
- トーキョーブックマーク
山陽新幹線で利用できる早割チケット
山陽新幹線は最も早割チケットの多い区間です。「エクスプレス予約・スマートEX」と「e5489」両方から予約できますので、早割の種類は多岐に渡ります。
また、山陽新幹線+九州新幹線、山陽新幹線+在来線特急の組み合わせの早割も多数あります。
JRの早割
- エクスプレス予約・スマートEX早特商品
- EX早特
- EX早特21
- スーパー早特きっぷ
- こだまスーパー早特きっぷ
- のぞみ早特往復きっぷ
- 阪神早特往復きっぷ
- 新幹線&やくもスーパー早特きっぷ
- バリューひかり早特21
- 大分往復割引きっぷ/宮崎往復割引きっぷ
- おとなびWEB早特
時間が許すなら、こだまの早割チケットがおすすめです。新大阪〜博多が半額以下になります。代表的な早割チケットが「バリ得こだま」です。
旅行会社の早割
- バリ得こだま
- 新幹線パック
北海道・東北・秋田・山形・上越新幹線で利用できる早割チケット
北海道・東北・秋田・山形・上越新幹線の早割は「えきねっと」の「お先にトクだ値」か「スーパーモバトク」の2択になります。
JRの早割
- お先にトクだ値
- スーパーモバトク
宿泊有りの新幹線なら、新幹線パックやダイナミックレールパックといった早割を活用できます。
旅行会社の早割
- 新幹線パック
- JR東日本のダイナミックレールパック
北陸新幹線で利用できる早割チケット
北陸新幹線は早割は、「えきねっと」に加え「e5489」からも予約できる「WEB早特1」と「e早特1」があります。
JRの早割
- WEB早特1
- e早特1
- お先にトクだ値
- スーパーモバトク
旅行会社の早割
- 新幹線パック
- JR東日本のダイナミックレールパック
九州新幹線で利用できる早割チケット・早特きっぷ
九州新幹線の早割は、「e5489」と「JR九州インターネット列車予約サービス」から予約できます。山陽新幹線と連携して関西ー九州各地をつなぐ早割チケットも多いです。
- e早特
- 九州ネット早特
- WEB早特3
- スーパー早特きっぷ
- スーパー早特21
- ガチきっぷ
山陽新幹線と同様に、こだま(つばめ)を利用した格安の早割も人気があります。
- バリ得こだま(つばめ)
- 新幹線パック
早割チケットの予約は4つのネット予約サービスから
ここまで新幹線の路線別に早割をみてきましたが、新幹線の早割チケットはネット予約か旅行会社のどちらかで予約・購入することになります。
JR各社のネット予約サービス
ネット予約サイトはJRで1つではなく、全部で4つのインターネット予約サービスがあります。
- エクスプレス予約・スマートEX(JR東海):東海道・山陽新幹線
- e5489(JR西日本・四国):山陽・九州・北陸新幹線
- JR九州インターネット列車予約(JR九州):九州新幹線
- えきねっと(JR東日本・北海道):北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸新幹線
旅行会社の早割チケットもネット予約が普通です。
上記JR各社の4つのインターネット予約サービスの早割と、旅行会社の早割を1つずつ以降で詳しく解説していきます。
エクスプレス予約・スマートEX(JR東海)の早割
JR東海の会員制ネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」を利用すると東海道・山陽新幹線の早割チケットを予約できます。エクスプレス予約は有料(年会費1,100円)、スマートEXは無料です。
関連ページ:エクスプレス予約(EX予約)はお得?割引料金・アプリの使い方等を詳しく解説
関連ページ:スマートEXの使い方、メリット、往復割引、料金比較を詳しく解説
早割は6種類
6種類の早割(早特商品)があり、東海道・山陽新幹線の主要区間に設定されています。
6つの早割は用途や希望によって使い分けます。EX早特21だけ21日前の早割で、他5つは3日前までです。
● EX早特
「EX早特」は、長距離区間の「のぞみ」普通車指定席とグリーン車を早割料金で利用できます。平日と土休日の料金が異なり、休日料金はさらにおトクになるので、遠方の旅行にピッタリな商品です。
● EX早特21
「EX早特21」は、早朝・日中の「のぞみ」を最も格安で利用できます。旅行や結婚式など、前から予定が決まっているときにおすすめです。
● EXのぞみファミリー早特
「EXのぞみファミリー早特」は、土休日の「のぞみ」普通車指定席とグリーン車をおトクに利用できます。2名以上が条件ですが、こども用の設定もあるので、週末の家族旅行などにおすすめです。1人での利用はできません。
● EXこだまファミリー早特
「EXこだまファミリー早特」は、「こだま」普通車指定席とグリーン車をおトクに利用できます。2名以上でご利用でき、こども用の設定もあるので、家族・友人と一緒におトクに旅行したい方におすすめです。
● EXグリーン早特
「EXグリーン早特」は、早朝の「のぞみ」と終日の「ひかり」のグリーン車がおトクに利用できます。グリーン車で快適に過ごしたい方におすすめです。
● EXこだまグリーン早特
「EXこだまグリーン早特」は、「こだま」グリーン車をお手頃な料金で利用できます。おトクにかつグリーン車で快適に過ごしたい方におすすめです。
6つの早割はGW・お盆・年末年始は使えない
上記の6つの全ての早割には、設定除外日(使えない日)があります。GW・お盆・年末年始の混雑期には利用できません。
「エクスプレス予約」と「スマートEX」どちらも共通で早割とりようできますが、設定除外日は「スマートEX」の方が多いです。
e5489の早割
JR西日本の会員制ネット予約サービス「e5489」を利用すると山陽新幹線を中心に九州新幹線、北陸新幹線の早割チケットを予約できます。
e5489はJ-WESTネット会員とJ-WESTカード会員が利用できます。J-WESTカード会員であればe5489の全サービスを受けることができて、割引率の高い「e早特」「e早特1」なども購入できます。
関西〜九州各地を結ぶ早割が多数
e5489では、関西から九州各地に山陽新幹線+九州新幹線(または在来線特急)で結ぶ早割が多く用意されています。
● スーパー早特きっぷ
「スーパー早特きっぷ」は14日前までの予約で、以下の区間を格安で利用できます。最大で約35%割引。
- 新大阪・新神戸〜博多・小倉・大分・長崎・佐世保・熊本・鹿児島中央
- 広島・岡山〜熊本・鹿児島中央
● こだまスーパー早特きっぷ
「こだまスーパー早特きっぷ」は14日前までの予約で、新大阪・新神戸〜博多・小倉の区間の新幹線こだまを格安で利用できます。最大で約45%の大幅割引。
● スーパー早特21
「スーパー早特21」は、21日前までの予約で、新大阪・新神戸〜長崎・熊本・鹿児島中央の区間の新幹線(長崎は+在来線特急)を格安で利用できます。
● WEB早特3
「WEB早特3」は、3日前までの予約で、新大阪・新神戸〜熊本・鹿児島中央の区間の新幹線を格安で利用できます。
● e早特
「e早特」はJ-WESTカード会員限定の早割です。3日前までの予約で、新大阪・新神戸〜熊本・鹿児島中央の新幹線を格安で利用できます。
北陸新幹線の早割「e早特1」
「e早特1」はJ-WESTカード会員限定の北陸新幹線の早割チケットです。3日前までの予約で、東京・大宮〜福井・金沢・富山の新幹線を格安で利用できます。
新幹線+在来線の早割で山陰、九州の地方都市もカバー
e5489では、山陽新幹線と在来線を組み合わせて山陰や九州の地方都市への早割チケットも扱っています。
- 阪神早特往復きっぷ
- 新幹線&やくもスーパー早特きっぷ
- 大分往復割引きっぷ/宮崎往復割引きっぷ
JR九州インターネット列車予約(JR九州)の早割
JR九州インターネット列車予約は、九州新幹線(博多〜鹿児島中央)の各区間が格安になる早割を予約できます。会員登録は無料です。
九州新幹線がお得な早割「九州ネット早特」
九州新幹線の早割で代表的なのは「九州ネット早特」です。最大50%程度の割引になります。
- 九州ネット早特3
- 九州ネット早特7
- 九州ネット早特14
- つばめ限定!九州ネット早特7
九州ネット早特14が最も割引率は高いですが、クレジットカード「JQ CARD」会員限定です。
JQ CARD会員になると、「e早特」「スーパー早特きっぷ」といった九州〜関西を繋ぐ早割チケットが、JR九州インターネット列車予約からも予約できるようになります。
えきねっとの早割
えきねっとは、東北・上越・北陸・秋田・山形・北海道新幹線の各区間の早割チケットを予約できます。会員登録は無料です。
便利でお得な「お先にとくダ値」は人気
えきねっとの早割の代表格は「お先にとくダ値」です。無料会員登録するだけで誰でも利用できるので使いやすい早割です。予約&購入は13日前までで、新幹線料金が約25%〜35%割引になります。時期によっては「お先にトクだ値スペシャル」が販売されていて、約50%割引となります。
「お先にとくダ値」は購入できる列車・席数は限定されていることもあり、週末便などは早めに売り切れてしまいます。特に「お先にトクだ値スペシャル」は発売開始直後に完売になるケースもあります。
旅行会社の早割
JRの早割は新幹線料金だけの割引ですが、旅行会社の早割はJRではありえない割引率や、お得な特典が付いてくることもあります。具体的には、新幹線とホテルがセットで大幅割引になったり、買い物クーポンや観光の割引チケットが付いてきます。
JRの早割より割引率がはるかに高くなることも多いので、選択肢の一つとして検討してください。
東京旅行の早割「トーキョーブックマーク」
「トーキョーブックマーク」は東京観光に最適な新幹線の早割ツアー商品です。大阪・京都・名古屋から東京への新幹線旅行の料金が格安で人気の旅行商品です。格安な往復新幹線と東京観光のおトクな特典が最大の魅力です。
日帰り、宿泊どちらのプランもあり、料金は東京行きの新幹線としては最安。他のチケットとの料金比較は以下の通りです。
新大阪ー東京 | ||
---|---|---|
片道 | 往復 | |
トーキョー ブックマーク |
18,600円 | |
EXこだま ファミリー早特 |
10,080円 | 20,160円 |
ぷらっとこだま | 10,700円 | 21,400円 |
EX早特21 | 11,200円 | 22,400円 |
EXのぞみ ファミリー早特 |
12,570円 | 25,140円 |
EX予約 | 13,620円 | 27,240円 |
回数券 | 13,940円 | 27,880円 |
のぞみ | 14,720円 | 29,440円 |
上述のエクスプレス予約の早特商品やこだまの格安チケット「ぷらっとこだま」などと比較しても、圧倒的に格安なのがわかります。予約は3日前まで。
トーキョーブックマークについて、詳細はこちらでまとめています。
関連ページ:【東京・往復新幹線】トーキョーブックマークが格安!一人もOK、日帰りもOK
こだまの格安チケット「バリ得こだま」「ぷらっとこだま」
旅行会社が販売する新幹線こだまの格安チケットを利用すると、料金が通常の半額以下になることもあります。東海道新幹線なら「ぷらっとこだま」、山陽新幹線なら「バリ得こだま」が代表的な早割です。
例えば「バリ得こだま」を例にとり、新大阪ー博多の料金を比較してみると以下の通りです。
新大阪ー博多 | ||
---|---|---|
片道 | 往復 | |
バリ得こだま | 7,600円 | 15,200円 |
こだまスーパー 早特きっぷ |
8,660円 | 17,320円 |
スーパー早特 きっぷ |
10,480円 | 20,960円 |
EX早特 (土休日) |
11,200円 | 22,400円 |
EX早特 (平日) |
12,000円 | 24,000円 |
EX予約 | 13,490円 | 24,620円 |
e特急券 | 13,490円 | 25,020円 |
スマートEX | 15,400円 | 28,840円 |
通常料金 | 15,600円 | 29,240円 |
上述のエクスプレス予約の早特商品、e5489の早割「スーパー早特きっぷ」「こだまスーパー早特きっぷ」などと比較しても、圧倒的に格安なのがわかります。予約は区間によりますが、3〜5日前まで。
バリ得こだまについて、詳細はこちらでまとめています。
関連ページ:【格安4,500円〜】「バリ得こだま」で新幹線(博多・広島・岡山・大阪)が安くなる
新幹線パック
最後に、宿泊旅行の際にもっとも割安になる早割が「新幹線パック」です。
旅行・出張などで宿泊する場合は、新幹線パックを最優先で検討することをおすすめします。新幹線チケットと宿がセットで大幅割安料金になるので、トータルのコストでみると新幹線パックの方が大抵の場合安くなります。
例えば、東京ー広島の新幹線料金で「新幹線パック」がどれほどお得かみてみます。
東京ー広島 | ||
---|---|---|
片道 | 往復 | |
新幹線パック | 25,400円〜 | |
EX早特21 | 14,260円 | 28,520円 |
EX早特 (土休日) |
15,790円 | 31,580円 |
EX早特 (平日) |
16,190円 | 32,380円 |
EX予約 | 17,990円 | 33,200円 |
e特急券 | 17,990円 | 33,600円 |
スマートEX | 19,240円 | 36,100円 |
通常料金 | 19,440円 | 36,500円 |
ご覧の通り、新幹線パックが圧倒的に格安です。しかも上の掲載料金は、新幹線パックだけ1泊宿代込みの料金です。他は単純に往復の新幹線料金だけです。
新幹線パックも時期やホテルのグレードによって料金は変動しますが、全国各地への宿泊旅行の際はほとんどのケースで最安となります。前日まで予約可(平日は出発6時間前まで)。