JR新幹線のチケットを購入する際、身体障害者及び知的障害者の人は「障害者割引」が使えます。新幹線の乗車券が5割引になります。
ここでは、JR新幹線の障害者割引に関して、以下のような内容を詳しく解説しています。
- 障害者割引の概要
- 障害者割引のお得な使い方
- 障害者割引は本当にお得なのか?
- 障害者割引よりお得なチケット
目次(好きなところから読める!)
障害者割引とは
障害者割引はその名の通り、障害者(身体障害者及び知的障害者)が使える割引です。まずは、かんたんにわかりやすく障害者割引の概要と料金を解説しましょう。
ここでは、新幹線利用時を前提に解説していますが、障害者割引は新幹線を利用してもしなくても条件さえ満たせば適用されます。
障害者割引の対象
障害者割引を受けるには、各自治体で発行する障害者手帳(旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄に第1種又は第2種の記載のあるもの)が必要となります。
障害者割引の対象になるのは、第1種又は第2種障害者です。第1種の人は介護者も対象となります。
参考:障害者割引制度のご案内
障害者割引の条件
新幹線を利用する際、障害者割引の適用以下のルールに従います。
- ひとりで利用の場合、片道100キロまでは割引はなし。
- 障害者手帳に「第1種」の記載がある場合は、同伴の介護者がいれば介護者も割引になる。
- 介護者がいる場合は、片道100キロ以内でも割引はある。
- 障害者手帳に「第2種」の記載がある場合は、介護者の割引はない。
新幹線を利用するのは100キロ超えるケースがほとんどだと思うので、1種なら本人と同伴者も、2種なら本人のみ、割引が適用されると理解しておいて良いでしょう。
乗車券が5割引
障害者割引を使うと、新幹線の乗車券が5割引になります。
新幹線に乗車するためには、「乗車券」と「新幹線特急券」2種類のきっぷが必要なのですが、割引になるのは「乗車券」だけです。新幹線料金(総額)が5割引ではありません。勘違いしている人が多いので注意してください。
新幹線特急券は割引にならない
もう一度、書いておきます。新幹線特急券は割引になりません。
「障害者割引は5割引」と言われていますが、5割引は乗車券だけで、新幹線料金の総額でいうと約30〜35%割引ぐらいになると考えておいた方がいいでしょう。
障害者割引のお得な使い方
障害者割引のお得な使い方を解説しておきます。
乗り継ぎ割引と併用する
新幹線の乗り継ぎ割引と障害者割引は併用可能です。
新幹線から在来線の特急に、または在来線の特急から新幹線に乗り継ぐ場合は乗り継ぎ割引が適用されます。在来線の特急料金が半額になります。
乗り継ぎ割引で在来線の特急券が割引になり、障害者割引で乗車券が5割引になります。ダブルの割引でお得です。
乗り継ぎ割引の適用を受けるには、新幹線特急券と在来線特急券を一括購入してください。
関連ページ:【新幹線の乗継割引】特急料金が半額に!乗り継ぎ割引のお得な使い方
e特急券と併用する
e特急券と障害者割引を併用する方法もあります。e特急券は東海道・山陽新幹線で利用できます。
障害者割引はあくまで乗車券の割引で、新幹線特急券は割引にはなりません。
では、「格安の新幹線特急券を別に買えばいいのではないか」と考える人もいるでしょう。そこで利用できるのが、e特急券です。e特急券と障害者割引は併用可能です。
e特急券はJRのネット予約サービス「エクスプレス予約(EX予約)」を利用すると購入できる、割引価格の新幹線特急券です。割引額は区間によりますが、500円〜1,000円程度です。
e特急券で特急券が割引になり、障害者割引で乗車券が5割引になります。ダブル割引でお得です。ただし、e特急券を利用すると乗継割引は使えなくなるので、どちらを取るかは利用する区間によって判断する必要があります。
関連ページ:e特急券で新幹線がおトクに!は本当?料金、割引率、買い方・使い方を詳しく解説!
eきっぷと併用する
eきっぷと障害者割引を併用する方法もあります。eきっぷは山陽新幹線で利用できます。
eきっぷはe特急券と同質の割引特急券で山陽新幹線で利用できます。e特急券と扱いも同じですが、eきっぷは乗継割引も利用可能というのが大きな違いです。
厳密には、「乗り継ぎ用のeきっぷ」が販売されています。割引率は区間によります。通常の乗継割引よりお得です。
これを利用すると、障害者割引+eきっぷ+乗継割引のトリプル割引が実現できます。
関連ページ:eきっぷで新幹線・特急がおトクに!は本当?料金、割引率、買い方・使い方を詳しく解説!
往復割引とは併用できない
新幹線の往復割引と障害者割引は併用不可です。
学割と往復割引は併用可能ですが、障害者割引と往復割引の組み合わせは不可能です。
関連ページ:JR新幹線の往復割引は本当にお得?料金、買い方、新幹線往復きっぷ
障害者割引の使い方、新幹線チケットの買い方
障害者割引を利用して新幹線チケットを購入するには「障害者手帳」さえあればOKです。
障害者割引が使えるのは窓口だけ、券売機、ネット予約はNG
障害者割引を使って新幹線チケットを購入するときは、駅の窓口にいきましょう。
JRのみどりの窓口などで出発駅と到着駅を伝えて、障害者手帳を提示すれば障害者割引が適用された新幹線チケットが購入できます。駅の券売機やネット予約では、障害者割引を使えませんので注意です。
乗車当日でも障害者割引は利用可能です。
関連ページ:【初心者向け】新幹線料金のしくみとチケット・きっぷの買い方
基本は本人が窓口に
基本的には障害者手帳の持ち主本人が窓口に行くことになっていますが、それが不可能な状況もあります。
この点は理解されているので、代理の人間でも障害者手帳さえ持参すれば障害者割引を受けることができます。
自由席・指定席・グリーン席も買える
障害者割引でも自由席はもちろん、指定席・グリーン席を利用することができます。
ただし、先述した通り、新幹線料金の特急券部分は割引になりませんので、指定席でもグリーン席でも正規の料金を支払う必要があります。
障害者割引より格安なきっぷ
障害者割引は乗車券50%OFFなので、かなり大きな割引ですが、障害者割引を利用するより他の手段を利用した方が安くなるケースもあります。
障害者割引より安い新幹線乗車手段を具体的に紹介しましょう。
宿泊有りなら「新幹線パック」が障害者割引より安い
旅行・出張などで宿泊する場合は、新幹線パックを利用した方がいいです。
新幹線パックなら、新幹線チケットと宿がセットで大幅割安料金になります。障害者割引はあくまで乗車券が5割引になるだけので、トータルのコストでみると新幹線パックの方が断然安くなります。
新大阪ー博多の料金でみると以下の通りです。
新大阪ー博多 (往復) |
|
---|---|
障害者割引 | 21,410円 |
新幹線パック | 18,000円〜 ※1泊料金込み |
新幹線パックは宿代込みの料金でしかも圧倒的に安いので、ちょっと比較になりません。他の区間でも同様です。
泊まりの往復旅行は新幹線パックがおすすめです。
早めの予約が可能なら早割チケットの方が障害者割引より安いケースも
JRの早割チケットや旅行会社の早特商品を利用すれば、障害者割引より格安になるケースもあります。
例えば、以下のような早割商品があります。
- EX早特
- EX早特21
- EXこだまファミリー早特
- EXのぞみファミリー早特
- こだまスーパー早特きっぷ
- スーパー早特きっぷ
- バリ得こだま
- ぷらっとこだま
早めの予約が可能な人は、積極的に利用していきましょう。
関連ページ:【新幹線の早割】早特・早割チケットの料金・割引率・種類
日帰りなら日帰りの格安きっぷを使う場合
日帰りなら新幹線の日帰り旅行商品を利用する方法もあります。
例えば、東海道新幹線なら「トーキョーブックマーク」があり、料金は障害者割引よりこちらの方が格安です。
新大阪ー東京 (往復) |
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障害者割引 | 18,820円 |
トーキョー ブックマーク |
18,600円〜 |
関連ページ:【東京・往復新幹線】トーキョーブックマークが格安!一人もOK、日帰りもOK
こだま(ひかり)の格安きっぷを使う場合
安さ優先なら、こだま(ひかり)に乗車するという方法もあります。
例えば、山陽新幹線なら「バリ得こだま」があり、料金は障害者割引よりこちらの方が格安です。
新大阪ー博多 (往復) |
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---|---|
障害者割引 | 21,410円 |
バリ得こだま | 15,200円 |
こだま利用なので、もちろん時間はかかりますが、ひかりも選択可能なので多少は時間の負担も軽減できます。
関連ページ:【格安4,500円〜】「バリ得こだま」で新幹線(博多・広島・岡山・大阪)が安くなる
新幹線の障害者割引が適用されないケース
以下のようなチケットの場合は、障害者割引は適用されませんので要注意です。
- 回数券
- ネット予約
- 早割チケット・早特商品
- 旅行会社の格安チケット
回数券の購入に障害者割引は使えませんが、回数券の割引分より障害者割引の割引分の方が大きいです。
早割チケットを利用する場合は、上でも述べましたが、障害者割引はありませんが十分安いので利用してもOKです。ただし、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合などは、障害者割引+乗継割引の方が安いケースがありますので、料金比較してください。
こだまの格安チケットの場合なども同様です。往復割引はききませんが、格安チケットの方が圧倒的に安いです。
障害者割引の払い戻し
障害者割引の乗車券を払い戻す場合、有効期間内で使用開始前なら220円の手数料で払い戻せます。
使用開始後であっても、有効期間内で未使用区間が101km以上あれば、手数料を支払って払い戻せます。その場合は、普通運賃で当該区間を乗ったものとして、支払総額との差額が払い戻されます。