東海道・山陽新幹線の格安チケットを調べていると、「EX早特」という単語を目にする機会も多いかと思います。

EX早特は長距離の新幹線旅行で重宝される人気の早割チケットです。

ここでは、EX早特に関して以下のような内容を詳しく解説しています。

  • EX早特はどんなきっぷ?ポイント解説
  • EX早特の料金・設定区間
  • EX早特の使い方、予約方法、乗車方法
  • EX早特とEX早特の違い
  • EX早特を使わない方がいい場合
  • EX早特と他の格安チケットとの比較

 

目次(好きなところから読める!)

一目でわかる「EX早特」

EX早特商品・早割チケット

まずは、EX早特がどんなものか一目でわかるように一覧表にまとめました。

EX早特
利用区間 東海道・山陽新幹線(東京~博多間)の特定区間
利用できる人 スマートEX・エクスプレス予約会員
予約方法 パソコン・スマホ・アプリから
予約変更 何度でも無料で可
乗車方法 EX-IC・交通系ICカード
予約期限 3日前まで
料金
(平日)
東京ー広島 :16,190円
京都ー博多 :12,570円
新大阪ー博多:12,000円
料金
(土休日)
東京ー広島 :15,790円
京都ー博多 :12,220円
新大阪ー博多:11,200円
乗車可能な列車 のぞみ限定
自由席 利用不可
往復割引 なし
グリーン車 利用可
子供料金 設定あり
キャンセル・
払い戻し手数料
320円
設定除外日 GW・お盆・年末年始
途中下車 前途無効
学割・障害者割引 併用不可

EX早特の最大の特長はやはり、料金が超格安という点ですね。

上記項目を以降で1つ1つ詳しく解説していきます。

 

「EX早特」って何?メリットや特長

「EX早特」は、3日前までの予約で長距離区間の「のぞみ」普通車指定席とグリーン車を割引料金で利用できる早割チケットです。平日と土休日の料金が異なり、休日料金はさらにおトクになるので、遠方の旅行にピッタリな商品です。

ただし、繁忙時期(GW、お盆、年末年始)には設定除外日があります。

EX早特のポイント

  • 3日前までの予約可
  • 土休日はさらに割引(こども料金もあり)
  • 他の商品等に手数料無料で変更可能(差額は必要)
  • 同伴者の料金も割引(同時に6名まで)

 

EX早特の仕組みと利用対象者

EX早特の利用条件をみていきます。

長距離区間で利用可能

EX早特は、東海道・山陽新幹線(東京〜博多)の特定区間で利用できます。

設定があるのは主な長距離区間だけで、東京ー博多間の全区間で利用できるわけではありません。(設定区間は詳細後述)

スマートEX・エクスプレス予約会員なら利用できる

EX早特は、エクスプレス予約またはスマート予約会員が利用可能な早特商品です。

エクスプレス予約は有料サービスで年会費が1,100円。スマートEXは無料です。どちらかに登録していれば、誰でもEX早特を利用できます。

「スマートEX」「エクスプレス予約」についてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:スマートEXの使い方、メリット、往復割引、料金比較を詳しく解説
関連ページ:エクスプレス予約(EX予約)はお得?割引料金・アプリの使い方等を詳しく解説

スマートEXとエクスプレス予約のEX早特は違う?

エクスプレス予約、スマート予約会員どちらからEX早特を利用しても基本違いはありません。料金も設定区間も同じです。

ただし1点だけ違いがあり、スマートEXのEX早特の方が設定除外日(使えない日)が多いです。

エクスプレス予約とスマートEXの違いと比較は以下にまとめています。
関連ページ:便利?お得?スマートEXとエクスプレス予約(EX予約)の違いを詳しく比較・解説

 

EX早特の料金・設定区間

EX早特の代表的な区間の料金は以下の通りです。

通常料金
(のぞみ)
EX早特
東京-広島 19,440円 16,190円(平日)
15,790円(土休日)
東京-博多 23,390円 17,720円(平日)
17,310円(土休日)
新大阪-博多 15,600円 12,000円(平日)
11,200円(土休日)

ご覧の通り、少なくとも通常料金より3,000円以上安くなります。

EX早特は長距離区間にのみに設定されています。東京ー名古屋、東京ー新大阪などの設定はありません。

詳しい設定区間は以下の通りです。

東京・品川発着のEX早特

東京・品川発着のEX早特の設定区間は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

東京・品川 ー 岡山・福山・広島・徳山・新山口・小倉・博多

新横浜発着のEX早特

新横浜発着のEX早特の設定区間は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

新横浜 ー 岡山・福山・広島・徳山・新山口・小倉・博多

名古屋発着のEX早特

名古屋発着のEX早特の設定区間は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

名古屋 ー 小倉・博多

京都発着のEX早特

京都発着のEX早特の設定区間は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

京都 ー 小倉・博多

新大阪発着の早特

新大阪発着のEX早特の設定区間は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

新大阪 ー 小倉・博多

新神戸発着の早特

新神戸発着のEX早特の設定区間は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

新神戸 ー 小倉・博多

 

EX早特の予約方法、買い方、アプリの使い方

EXアプリ

EX早特の予約方法は簡単です。

EX早特の予約は、スマートEX、エクスプレス予約の会員サイトにログインして行います。パソコンから予約してもいいのですが、スマホアプリ「EXアプリ」があるのでこれを利用するとより手軽です。

EXアプリの使い方

アプリを立ち上げて、新幹線乗車の区間・時間を入力すると、候補の便がズラッと表示されます。

EXアプリ使い方

乗車便を選択すると、予約方法の一覧が出てきます。指定席/自由席/往復/グリーン車などに加え「EX早特」も表示されます。(ここでは、新大阪ー東京のためEX早特は表示されません。)

EX早特を選択したあと座席指定もできます。

EXアプリ使い方

最後に、予約ボタンを押すと自動的にクレジットカードから決済されて完了です。時間、座席の変更は無料で何度でも可能です。

乗車方法

スマートEX会員の場合は、SuicaやPasmoなどの交通系ICカードで、エクスプレス予約会員はEX-ICで乗車します。

EX早特を複数人で予約した場合は、駅できっぷを発券してから改札を通ります。ICカードは会員本人しか使えませんので。

 

EX早特は往復割引・乗り継ぎ割引適用なし

EX早特を利用した場合、長距離区間(600km超)の往復利用でも往復割引は適用されません。乗り継ぎ割引もありません。

往復割引がなくてもEX早特がおトク

通常の新幹線きっぷは、片道600キロを超える区間を往復予約する場合に往復割引が適用され乗車券が1割引になりますが、EX早特の場合は単純に料金が2倍になるだけです。

とはいえ、往復割引がなくてもEX早特で往復した方が、通常料金より安くなることがほとんどです。

新大阪ー博多を例にとると、料金は以下の通りです。

新大阪ー博多
(往復割引料金)
通常料金 29,240円
スマートEX 28,840円
EX予約 24,620円
EX早特 24,000円(平日)
22,400円(土休日)

スマートEXやEX予約と比べても、EX早特が格安だとわかります。

ただし、新幹線から在来線の特急に乗り継ぐ場合は通常料金の方が安い場合もありますので要注意です。(詳細後述)

新幹線の往復割引についてはこちらに詳しくまとめています。
関連ページ:JR新幹線の往復割引は本当にお得?料金、買い方、新幹線往復きっぷ

EX早特の乗継割引

EX早特を利用すると乗継割引が適用されません。

新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合、乗り継ぎ割引で特急料金が半額になりますが、EX早特で新幹線を利用すると、乗継割引が適用されなくなります。

新幹線の乗継割引についてはこちらに詳しくまとめています。
関連ページ:【新幹線の乗継割引】特急料金が半額に!乗り継ぎ割引のお得な使い方

 

EX早特はグリーン車もOK、自由席は利用不可、子供設定あり

自由席

EX早特で自由席は利用できません。

グリーン車

EX早特では、グリーン車も利用できます。普通車指定席と同様、料金が格安です。

新大阪ー博多
(グリーン車)
通常料金 21,670円
スマートEX 21,470円
EX予約 18,890円
EX早特 15,670円(平日)
14,870円(土休日)

早割で割引になった分、グリーン車で快適な時間を過ごすという使い方もおすすめです。

こども料金

EX早特21のこども料金は半額です。

学割・障害者割引と併用できない

EX早特21は学割、障害者割引と併用できません。

 

EX早特の変更・座席変更・キャンセル・払い戻し

EX早特は変更やキャンセルに対しても柔軟です。

列車変更・座席変更

一度予約したEX早特の列車や座席の変更は何度でも無料で可能です。EX早特ではなく、その他の商品への変更も可能です(差額は必要です)。

ただし、EX早特は3日前までの予約が必要な早割チケットなので、変更の際に3日前を過ぎていると同日のEX早特への変更はできません。その他の商品への変更は可能です(差額は必要です)。

キャンセル・払い戻し手数料

EX早特のキャンセルによる払い戻し手数料は320円です。

列車発車後も払い戻しは受けられます。公式サイトには以下のように書かれています。

時刻表に表示された列車発車時刻後は会員様操作による払戻操作ができません。その場合、「列車発車時刻経過後に払戻をされた」ものとみなして、乗車日の翌日以降に自動的に以下の手数料を収受して払い戻します。

払い戻し手数料は予約した区間によって変わります。

 

EX早特は年末年始・GW・お盆は使えない

年末年始・GW・お盆の期間は、EX早特の設定除外日になるため使えません。

スマートEXとエクスプレス予約で「設定除外日」が異なる

エクスプレス予約とスマートEXでは設定除外日が違います。スマートEXの方が設定除外日が多いです。

2020年の設定除外日は以下の通り。

スマートEX エクスプレス予約
GW 4/27~5/6  5/1、5/2、5/5、5/6
お盆 8/10~8/19 8/10、8/15、8/16
年末年始 12/28~1/6 12/28~12/31、1/2~1/4

ご覧の通り、スマートEX は年末年始・GW・お盆の期間は一括りで利用不可能となっているのに対し、エクスプレス予約は本当に混雑する日に絞られています。エクスプレス予約は有料サービスなので、可能な限り会員に向けてサービス開放しています。

ここら辺に、年会費無料と有料の差がでます。

JRの混雑期(年末年始・GW・お盆)に関してはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:年末年始・GW・お盆に使える新幹線の割引・格安チケットはある?

 

EX早特とEX早特21の違いは何?

「EX早特とEX早特21は何が違うの?」これはよくある質問です。

どちらもスマートEX、エクスプレス予約の早割チケットであるという点は同じなので、予約方法、乗車方法は同じです。

が、結構違いもあります。簡単に解説します。

EX早特21に関してはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:新幹線の格安早割チケット「EX早特21」を徹底解説!料金、買い方・使い方、往復割引まで

予約期限が3日前と21日前

EX早特が3日前までの予約に対し、EX早特21は名称からもわかる通り21日前までの予約が必要です。3週間前はけっこう使いづらいですね。

旅行や結婚式など、前から予定が決まっているときにだけ使えます

料金はEX早特21の方が安い

東京ー広島間の料金でEX早特とEX早特21を比較すると以下の通りです。

東京ー広島
通常料金 19,440円
スマートEX 19,240円
e特急券 17,990円
EX予約 17,990円
EX早特 16,190円(平日)
15,790円(土休日)
EX早特21 14,260円

21日前の早割だけあって格安です。通常料金から5,000円以上割引です。

設定区間・グリーン車・自由席

EX早特は長距離区間だけでしたが、EX早特21は東京ー名古屋や東京ー新大阪などの設定もあります。

しかし、EX早特21は新大阪ー博多などの山陽新幹線区間内の設定はありません。岡山・広島・小倉・博多も利用できますが、いずれも東京・品川、新横浜、名古屋発着です。

また、EX早特はグリーン車OKでしたが、EX早特21は利用できません。自由席は、EX早特、EX早特21ともに利用できません。

 

EX早特は途中下車できる?内方乗車は?

EX早特の途中下車について、公式サイトには以下のように書かれています。

途中下車することはできません。途中駅で下車された場合は、前途無効となります。

「できない」といいつつ「前途無効になる」とありますので、できるということでしょう。

内方乗車に関しては以下のように書かれています。

指定した列車に新幹線駅から直接乗車する場合に限り、途中駅からの乗車が可能です。

こちらも「途中駅からの乗車が可能」と言っています。

これらを踏まえると、EX早特の設定のない区間でも利用できる可能性はあります。もちろん自己責任です。

 

EX早特は学割と併用できない

EX早特は学割と併用できません。

学割だけでなく、障害者割引、乗り継ぎ割引、往復割引すべて併用できません。

 

EX早特のデメリット、EX早特を使わない方がいい場合

以下のようなケースは、EX早特を使わない方が良いです。

こだまの格安きっぷを使う場合

バリ得プラン山陽版

「いつも、こだま(ひかり)の格安チケットで新幹線乗っている」という人はEX早特は不要です。

例えば、山陽新幹線なら「バリ得こだま・ひかり」があり、料金ははるかに格安です。料金面だけならEX早特を選ぶ必要が全くありません。

新大阪ー博多 片道 往復
EX早特(平日) 12,000円 24,000円
EX早特(土休日) 11,200円 22,400円
バリ得こだま 7,600円 15,200円

東海道新幹線にも「ぷらっとこだま」があります。

バリ得こだまに関してはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:【格安4,500円〜】「バリ得こだま」で新幹線(博多・広島・岡山・大阪)が安くなる

宿泊する場合

新幹線パック

旅行・出張などで宿泊する場合は、新幹線パックを利用した方がいいです。

新幹線チケットと宿がセットで大幅割安料金になります。エクスプレス予約はあくまで新幹線料金のみが安くなるだけなので、トータルのコストでみると新幹線パックの方が大抵の場合安くなります。

新大阪ー博多の料金でみると以下の通りです。

新大阪ー博多 片道 往復
EX早特(平日) 12,000円 24,000円
EX早特(土休日) 11,200円 22,400円
新幹線パック 18,000円〜
※1泊料金込み

新幹線パックは宿代込みの料金で、EX早特21より安いのでちょっと比較になりません。

新幹線+ホテルパック

新幹線パックについてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:【新幹線パック】一人もOK!宿泊付き!新幹線ホテルパックはなぜ安い?

在来線の特急に乗り継ぐ場合

EX早特を利用すると乗り継ぎ割引が適用されません。実はこれがちょっとした注意点かもしれません。

新幹線から在来線の特急に乗り継ぐ場合、乗り継ぎ割引で特急料金が半額になりますが、EX早特で新幹線を利用すると、新幹線駅区間は割引料金で得するけれど在来線区間で損をするという事態になり得ます。

例えば、東京ー出雲市(岡山で新幹線⇒特急やくもに乗り継ぐ)の場合、料金はこうなります。

東京ー出雲市
(岡山で乗り継ぎ)
片道 往復
EX予約 23,320円 44,100円
EX早特
(休日)
21,280円 42,560円
EX早特21 20,260円 40,520円
通常料金
(乗継割引適用)
20,670円 38,880円

ご覧の通り、不思議なことに通常料金がEX早特より安くなります。これは、乗り継ぎ割引の割引額が早割の割引額を上回るためです。

さらに、往復割引が適用される予約だとこの差がより顕著になり、通常料金がEX早特21よりも安くなります。かなり稀なケースですが、東京ー岡山ー松山などでも同じことが起こります。

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