e特急券は、東海道新幹線と山陽新幹線を格安で利用できる割引チケット(特急券のみ)です。

ここでは、e特急券に関して以下のような内容を詳しく解説しています。

  • e特急券はどんなきっぷ?ポイント解説
  • e特急券の料金・設定区間
  • e特急券の使い方、予約方法、乗車方法
  • e特急券を使わない方がいい場合
  • e特急券と他の格安チケットとの比較

 

目次(好きなところから読める!)

「e特急券」とは

まずは、e特急券って何?という人のために、e特急券がどんなものかパッと見でわかるように、特徴を一覧表にまとめました。

e特急券
利用区間 東海道・山陽新幹線(東京〜博多)の全区間
利用できる人 「エクスプレス予約」会員
予約方法 パソコン・スマホ・アプリから
予約変更 何度でも無料で可
乗車方法 券売機・受取機できっぷ発券
予約期限 当日まで購入可
料金
(特急料金)
東京ー新大阪:4,910円
新大阪ー博多:3,700円
東京ー博多 :7,640円
乗車可能な列車 東海道・山陽新幹線の終日の全車両
自由席 利用可
往復割引 あり
乗継割引 なし
グリーン車 利用可
子供料金 設定あり
キャンセル・
払い戻し手数料
指定席:340円〜購入金額の30%
自由席:220円
GW・お盆・年末年始 利用可
途中下車 前途無効
学割・障害者割引 併用可

e特急券の最大の魅力はやはり、特急料金が割引になることと、往復割引など他の割引と併用できるという点です。

上記項目を以降で1つ1つ詳しく解説していきます。

 

「e特急券」のポイントと仕組み

e特急券の仕組みと概要を簡単に解説しましょう。

e特急券のポイント

  • エクスプレス予約会員限定
  • 乗車当日まで購入可
  • 東海道・山陽新幹線の特急券が格安
  • 当日まで購入可。出発4分前まで何度でも手数料無料で変更可
  • 乗車券は別に購入。学割、障害者割引等とも併用可
  • 同伴者の料金も割引(同時に6名まで)

「e特急券」は特急券のみ、乗車券は別に購入!

まず大事なことは、「e特急券」は特急券であるということです

e特急券でお得に新幹線・特急を利用できますが、乗車券は別に購入が必要であるということは理解しておきましょう。

逆にいえば、e特急券は学割や障害者割引で購入した乗車券を組み合わせることができるので、ダブルで割引にすることも可能です。e特急券+学割+往復割引というトリプル割引も可能です。

ただし、青春18きっぷはダメです。青春18きっぷは特急列車への乗車が制限されている特別企画乗車券です。

東海道・山陽新幹線の特急券がお得

e特急券は、東海道・山陽新幹線(東京〜博多)の全区間で利用できます。

「のぞみ」「みずほ」「ひかり」「さくら」「こだま」「つばめ」に乗車することができます。

エクスプレス予約(EX予約)会員なら誰でも利用できる

e特急券は、エクスプレス予約(EX予約)会員が利用可能です。

エクスプレス予約は有料サービスで年会費が1,100円。登録していれば誰でもe特急券を利用できます。無料の新幹線ネット予約サービス「スマートEX」では利用できません。

またJR西日本のネット予約サービス「e5489」からも利用できません。

「エクスプレス予約」についてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:エクスプレス予約(EX予約)はお得?割引料金・アプリの使い方等を詳しく解説

 

e特急券の料金・設定区間

e特急券は東海道・山陽新幹線の特急券を格安で利用できます。

e特急券の料金

e特急券の代表的な区間の料金は以下の通りです。

通常料金
(特急料金)
e特急券
東京ー新大阪 5,810円 4,910円
新大阪-博多 5,810円 3,700円
東京ー博多 9,310円 7,640円

※特急券だけの料金です。乗車券は別に購入する必要があります。

ご覧の通り、通常料金の特急券より数百円〜2,000円安くなります。

e特急券は指定席も自由席も予約できますが、料金は同じなので指定席を利用した方がお得です。

東海道新幹線(普通車指定席)の設定区間

e特急券で利用できる東海道新幹線(普通車指定席)の代表的な区間と料金は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

e特急券
東京ー静岡 2,530円
東京ー名古屋 4,130円
東京ー新大阪 4,910円
新横浜-京都 4,570円
名古屋-新大阪 2,270円

※特急券だけの料金です。乗車券は別に購入する必要があります。

山陽新幹線(普通車指定席)の設定区間

e特急券で利用できる山陽新幹線(普通車指定席)の代表的な区間と料金は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

e特急券
新大阪-岡山 2,530円
新大阪-広島 3,700円
広島ー博多 3,290円
新神戸ー小倉 3,700円
新大阪ー博多 3,700円

※特急券だけの料金です。乗車券は別に購入する必要があります。

東海道・山陽新幹線グリーン車の設定区間

e特急券で利用できる東海道・山陽新幹線グリーン車の代表的な区間と料金は以下の通りです。上り下りどちらも利用できます。

e特急券
(グリーン車)
東京ー名古屋 7,790円
東京ー新大阪 9,770円
新大阪ー博多 9,100円
名古屋ー広島 9,390円
東京-博多 14,240円

※グリーン車特急券だけの料金です。乗車券は別に購入する必要があります。

 

e特急券の予約方法、買い方、アプリの使い方

EXアプリ

e特急券の予約方法は簡単です。

e特急券の予約は、エクスプレス予約の会員サイトにログインして行います。パソコンから予約してもいいのですが、スマホアプリ「EXアプリ」があるのでこれを利用するとより手軽です。

EXアプリの使い方

アプリを立ち上げて、新幹線乗車の区間・時間を入力すると、候補の便がズラッと表示されます。

エクスプレス会員の場合は「特急券のみ」という項目がありますので、e特急券の検索時は「特急券のみ」にチェックをいれます。チェックしないと候補が表示されません。

EXアプリ使い方

乗車便を選択すると、予約方法の一覧が出てきます。指定席/自由席/往復/グリーン車などが表示されます。

e特急券を選択したあと座席指定もできます。

EXアプリ使い方

最後に、予約ボタンを押すと自動的にクレジットカードから決済されて完了です。時間、座席の変更は無料で何度でも可能です。

乗車方法

e特急券はチケットレスサービスではないので、きっぷを発券する必要があります。(e特急券以外のエクスプレス予約商品はチケットレスで改札を通過できます。)

予約したきっぷの受取りは 下記の場所で行えます。

  • 東海道・山陽新幹線各駅の「EX」マークがある指定席券売機、受取専用機
  • JR東海・JR西日本の主な駅の窓口

※JR東日本、JR九州のきっぷうりば等では受取できません。

受取りには、EX予約専用ICカードまたは「受取コード」とログイン時のパスワード(4~8桁の英数記号)が必要です。従来までは、決済時に利用したクレジットカードで受取り可能でしたが、2020年3月以降できなくなりました。

発券後は、乗車券と合わせて改札を通り列車に乗車します。

e特急券は年末年始・GW・お盆も使える

eきっぷは混雑期(年末年始・GW・お盆)も使えます。

 

e特急券の往復割引・乗継割引

e特急券を利用した場合、長距離区間(600km超)の往復利用で往復割引が適用されます。

正確にいうと、往復割引が適用された乗車券(e特急券とは別に購入)と併用することができます。e特急券自体は特急券なので、特急券には往復割引は適用されません。

e特急券+往復割引でさらにおトク

新幹線の乗車券は、片道601キロ以上の区間を往復予約する場合に往復割引が適用され乗車券が1割引になります。

新大阪ー博多(往復)を例にとると、通常料金とe特急券の料金はそれぞれ以下の通りです。

東京ー博多
(往復割引料金)
通常料金
(のぞみ指定席)
43,960円
通常料金
(自由席)
41,620円
e特急券
(のぞみ指定席)
40,620円
e特急券
(自由席)
40,620円

e特急券は片道利用でもお得ですが、往復の場合も往復割引と併用可能なので通常料金より格安です。

JRの「お得なきっぷ」や旅行会社が販売する格安チケットの多くは、往復割引がきかないことが多い中、e特急券は珍しい存在といえるでしょう。

ただし、e特急券を使わない方が良い場合もありますので要注意です。(詳細後述)

新幹線の往復割引についてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:JR新幹線の往復割引は本当にお得?料金、買い方、新幹線往復きっぷ

e特急券の乗継割引

e特急券を利用すると乗継割引が適用されません。

新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合、乗り継ぎ割引で特急料金が半額になりますが、e特急券で新幹線を利用すると、乗継割引が適用されなくなります。

新幹線の乗継割引についてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:【新幹線の乗継割引】特急料金が半額に!乗り継ぎ割引のお得な使い方

 

e特急券はグリーン車・自由席も利用可、子供設定もあり

e特急券の利用範囲は広く、新幹線のグリーン車、自由席、子供設定もあります。

自由席

e特急券で自由席も利用できます。

ただし、e特急券の指定席と自由席は同じ料金なので、自由席を選ぶメリットはありません。

グリーン車

e特急券はグリーン車もお得に利用できます。

こども料金

e特急券にはこども料金の設定もあります。こども料金(小児)は半額です。

e特急券は学割・障害者割引と併用できる

e特急券は学割や障害者割引と併用可能です。

ただし、学割、障害者割引は駅の窓口でしか利用できませんので、乗車券は窓口で購入、e特急券はネットで購入して組み合わせて使用することになります。

 

e特急券の変更・座席変更・キャンセル・払い戻し

e特急券は変更やキャンセルに対して柔軟です。

列車変更・座席変更

きっぷの受け取り前であれば、一度予約したe特急券の列車や座席の変更は何度でも無料で可能です。乗車の4分前まで変更可能ですので、突然予定が変わったときや、乗り遅れそうなときなども柔軟に対応可能です。

キャンセル・払い戻し手数料

e特急券のキャンセルによる払い戻し手数料は以下の通り。

受取前 受取後
指定席・
グリーン車
340円
  • 乗車日2日前まで:340円
  • 乗車日前日・当日:
    発売額の30%(最低340円)
自由席 220円 220円

使用開始後は払い戻しできません。

e特急券は途中下車できる?

e特急券の途中下車について、公式サイトには以下のように書かれています。

エクスプレス予約では、予約した区間の途中の駅で、出場することはできません。

やむを得ず途中の駅で出場される場合、エクスプレス予約の商品の下車駅から先の区間については、ご利用いただけませんのでご注意ください。

途中下車される場合、ご利用されない区間は放棄いただくこととなります。返金いたしかねますのでご注意ください。

「できない」といいつつ「前途無効になる」とありますので、できるということでしょう。

 

e特急券のデメリット、e特急券を使わない方がいい場合

新幹線や特急の料金を安くするためにe特急券を使うのですが、実際、e特急券より安いチケットはたくさんあります。

以下のようなケースは、e特急券を使わない方が良いです。

JRの早割チケット、早特商品を利用する場合

JRから売り出されている早割チケット(早特商品)でe特急券より格安なものはたくさんあります。

新大阪ー博多の新幹線料金(総額)で比べてみます。のぞみ指定席を利用した場合です。

新大阪ー博多
通常料金
(のぞみ指定席)
15,600円
スマートEX 15,400円
e特急券 13,490円
EX予約 13,490円
EX早特 12,000円(平日)
11,200円(土休日)
スーパー早特きっぷ 10,480円

ご覧の通り、14日までの予約で利用可能な「スーパー早特きっぷ」が最安です。e特急券より3,000円も安いです。EX早特も3日前までの予約で格安です。

スーパー早特きっぷについてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:「スーパー早特きっぷ」よりお得な格安チケット
EX早特についてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:EX早特で長距離新幹線がおトク!EX早特の料金、買い方・使い方、デメリットまで詳しく解説

宿泊する場合

新幹線パック

旅行・出張などで宿泊する場合は、新幹線パックを利用した方がいいです。

新幹線チケットと宿がセットで大幅割安料金になります。e特急券はあくまで新幹線の特急料金のみが安くなるだけなので、トータルのコストでみると新幹線パックの方が大抵の場合安くなります。

新大阪ー博多(往復)の料金でみると以下の通りです。

新大阪ー博多
(往復)
e特急券 25,020円
新幹線パック 18,000円〜
※1泊料金込み

新幹線パックは宿代込みの料金でも、はるかにe特急券より安いのでちょっと比較になりません。

新幹線+ホテルパック

新幹線パックについてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:【新幹線パック】一人もOK!宿泊付き!新幹線ホテルパックはなぜ安い?

こだまの格安きっぷを使う場合

バリ得プラン山陽版

「いつも、こだま(ひかり)の格安チケットで新幹線に乗っている」という人はe特急券は不要です。

例えば、山陽新幹線なら「バリ得こだま」があり、料金はこちらの方が格安です。料金面だけならe特急券を選ぶ必要が全くありません。

新大阪ー博多
(片道)
e特急券 13,490円
こだまスーパー早特きっぷ 8,660円
バリ得こだま 7,600円

こだまスーパー早特きっぷもかなりお得ですが、14日前までの予約が必要なので利用が難しい早割チケットです。バリ得こだまは3日前までで格安なので、こちらの方が使いやすいです。

バリ得こだまについてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:【格安4,500円〜】「バリ得こだま」で新幹線(博多・広島・岡山・大阪)が安くなる
こだまスーパー早特きっぷについてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:【最安6,100円】こだまスーパー早特きっぷ よりお得な格安チケット達

在来線の特急に乗り継ぐ場合

先述の通り、e特急券を利用すると乗り継ぎ割引が適用されません。実はこれがちょっとした注意点かもしれません。

新幹線から在来線の特急に乗り継ぐ場合、乗り継ぎ割引で特急料金が半額になりますが、e特急券で新幹線を利用すると、新幹線駅区間は割引料金で得するけれど在来線区間で損をするという事態になり得ます。

例えば、東京ー出雲市(岡山で新幹線⇒特急やくもに乗り継ぐ)の場合、料金はこうなります。

東京ー出雲市
(岡山で乗り継ぎ)
片道 往復
EX予約 23,320円 44,100円
EX早特
(休日)
21,280円 42,560円
EX早特21 20,260円 40,520円
e特急券 20,790円 39,120円
通常料金
(乗継割引適用)
20,670円 38,880円

ご覧の通り、不思議なことに通常料金がe特急券より安くなります。これは、乗り継ぎ割引の割引額がe特急券の割引額を上回るためです。

さらに、往復割引が適用される予約だとこの差がより顕著になり、通常料金がEX早特21よりも安くなります。かなり稀なケースですが、東京ー岡山ー松山などでも同じことが起こります。

 

eきっぷとe特急券は違うの?

e特急券と似たようなチケットとして「eきっぷ」があります。e特急券同様、eきっぷも特急券のみの販売で乗車券は別に購入する必要があります。

eきっぷとe特急券はどう違うのでしょうか。混同しやすいので解説していきます。

eきっぷについてはこちらで詳しくまとめています。
関連ページ:eきっぷで新幹線・特急がおトクに!は本当?料金、割引率、買い方・使い方を詳しく解説!

「e特急券」は新幹線のみ

e特急券は東海道・山陽新幹線で利用できる割引特急券です。一方eきっぷは、先述の通り、新幹線に加えて在来線特急も利用できます。この点が大きな違いです。

eきっぷは東海道新幹線には使えない

e特急券は東海道新幹線で利用できますが、eきっぷは利用できません。

  • eきっぷ:山陽新幹線、九州新幹線、北陸新幹線
  • e特急券:山陽新幹線、東海道新幹線

山陽新幹線では同料金

山陽新幹線ではe特急券もeきっぷも料金は全く同じです。

e特急券は乗継割引が使えない

e特急券を利用すると、在来線との乗り継ぎの際に乗継割引が使えません。一方、eきっぷには「乗り継ぎ用のeきっぷ」が販売されています。

つまり、山陽新幹線と在来線特急を乗り継ぐ際はeきっぷを利用した方がおトクということになります。

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